行政や地域コミュニティにおける危機管理意識の高まりに反して、まだまだ企業の中では危機管理に対する意識は高くありません。
しかし、救急救命の知識や技術をより多くの方に習得していただくためには、企業ぐるみなどの団体による参加が最も効率的なのです。
企業が社会の中で新たな評価基準として積極的な社会貢献活動に取り組む昨今、活動のパートナーとしてNPOやNGOが注目されるようになっています。
社内だけでなく、地域のおける危機管理という側面から当協会を利用していただければ幸いです。
21世紀は、いかに社会に貢献しているかが、企業評価の尺度になります。自社の利益を追及するばかりではなく、いかに社会貢献を果たし、世の中に求められ、尊敬される企業であるか。経済性や生産性ばあkりでなく、社会性や文化性といった部分でもバランスの取れた企業活動が求められてきます。
特に今日のように情報化が進み、企業のさまざまな情報へのアクセスがいっそう容易になる中で、企業にとって情報公開・社会貢献活動などの社会的責任を遂行することは、顧客や市場から信頼を獲得するための不可欠な要素となるでしょう。
ところが、「環境問題」や「高齢化社会」といった側面だけ見ても、日本企業の対応はまだまだ不十分であると指摘する声が多く、その活動はなかなか一般の人々には認識されていないのが実情です。
もちろん「エコロジー対策」や「エネルギー問題」など、自社にとっての課題克服への積極的な取り組みを通して、日々社会貢献を目指している企業もあれば、直接の業務とは全く関係のないところで、さまざまな活動に積極的に乗り出している例も幾多とあります。
自社のアイデンティティを明確にしておくためにも、これからの企業は社会の一員(企業市民)として、地域社会に密着した活動によって調和をはかることがいっそう求められます。
すなわち行政か民間か、営利か非営利か、という枠を超えて「市民社会」を創造していくためには、社会を構成するすべての人々(企業・行政・市民団体)が一体となって取り組むことが前提となってくるのです。
わたしたちの今日の活動も、多くの協賛企業や団体のみなさまのご理解とご協力をいただいて、はじめて順当に機能してまいります。この組織は日本で、最前線の救急活動を行っていくための入り口となるものです。
企業も、組織も、それを構成するのは個人の意識の集積です。人間が100人いたら、うち1名が実践していただければいいのです。これがわたしたちの提案する「1%の取り組み」なのです。
この機会に、一人でも多くの方々に、わたくしどもの活動趣旨をご理解いただき、ご協力いただければ、これほど嬉しいことはありません。
昨今の風潮として、個人レベルの社会貢献活動への参加意識が高まってきていることが挙げられます。経済的に豊かになった一方で、心の豊かさを求める人々も確実に増えてきています。
さらに、余暇の時間をボランティア活動に当てたいという人や、自分の持っている経験や技術を社会貢献のために役立てたいという人も増えています。
どうか、せっかく芽生えてきた個々の意志を少しでも活かせるように、企業の皆さまには講演会など、ボランティア活動のきっかけづくりとなるような機会や情報提供の場を積極的に持っていただきたいと思います。
社会が健全で、企業の社会的基盤がきちんとできてこそ、はじめてビジネスが成り立ち、長期的な発展が望めるのですから。
大地に落ちた一粒の麦が、 やがて大きな実を結ぶことを願って……