「セント ジョン アンビュランス」は、
会員総数30万人、世界22カ国に支部を持ち、
40カ国以上で活用している
国際救急救命ボランティア組織です。
突然起こる災害や事故によって、毎日、数多くの人々が救急車で搬送されています。救急車が到着するまでの数分間、その場に居合わせた人が少しでも早く適切な応急手当てができていれば、大切な生命を落とさずに済んだというケースがどれほどあるでしょう。予測できない事態であるからこそ、日頃からの危機管理や防災に対する意識が大切なのであり、同時に、状況に応じた適切な処置を施せるようトレーニングしておく必要があります。
想像してみてください。いざ、そういう状況に遭遇したとき、あなたに何ができますか?
また、事故などの人為的なものに加えて地震や水害等といった自然災害からも、わたしたちは自らの生命を守る「術」を学ぶべきです。突然起きる大規模な震災や自然災害に備えて、日頃から地域の連携による応急救護体制の確立に努めることや、応急手当の普及・啓蒙活動の背局的な展開を図っていくことが急務となってきます。
加えて、高齢化社会を迎え、お年寄りや在宅治療を続ける方々が増加してくる中で、身近な救急情報の提供や搬送サービスを求める声もますます高まってきています。このように、ファーストエイド(応急手当)は生活のあらゆるシーンで必要とされています。
わたしたち「セントジョン アンビュランス ジャパン協会」は、このような緊急時に行う手当法の普及活動を目的として、1999年4月に経済企画庁により設立認可を受けたNPO(特定非営利活動)法人です。
もう一度繰り返します。事故や傷病などの非常時には一刻も早く手当が必要です。成人は3分間脳に酸素がいかないと、仮に命は助かっても、重い後遺症に悩まされ、健全な社会復帰が困難になるといわれています。その時、健全な社会復帰を可能にするキーマンになるのは他の誰でもない、すぐそばにいるあなたなのです。救急救命に対しての基礎的な知識を身につけることは、あなたとあなたの大切な人を万が一の事故や災害から守り、健康で快適な毎日の生活へと導くパスポートなのです。
1966年、アメリカのドリンカー博士がWHOに報告した「救命曲線」です。
これを見ると、呼吸停止2分後に人工呼吸を始めると、90%くらいの確立で生命が救えますが、3分後は75%、4分後は50%、そして5分後は25%となり、10分後にはほとんどゼロになってしまいます。すなわち、時間の経過とともに生命を救うことができなくなるのがわかります。
※救急車到着までの平均時間は6分(蘇生率12%)